自主映画まみれ!

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読書感想文 人間失格 太宰治

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さて久しぶりの「くたばれ純文学」の時間がやってきました。
高慢ちきな純文学が大嫌いで、この年になるまで殆ど読んだことのないオッサンが唐突に読んだ純文学への言いっぱなしの感想文のコーナーです!


【先生へ】

何書いてるか分かりませんでした。
大体第一章の中間ぐらいまでですが、ここに来るまでに一ヶ月かかりましたので、読み始めても頭に何も入らないので同じところを何度も読んでしまいます。一回休んでも次ぎもう一度読むのが億劫になります。それでもせっかく買ったんだからと再挑戦しようとしてもどこまで読んだか覚えていないのでまた最初から読んでしまいます。
怪獣も殺人事件もないのでしんどいです。

先生、犯されるってなんですか?


人間失格表紙
この表紙にしただけで75000部売れたそうだが、
それだけが理由で買う奴が最後まで読めるような本とは思えない(笑)


 
【生徒君へ】
なぜそのことだけ聞いてくる?
なにか気付いていますね?
そういう勘の良さをもっと他のところで使ってください。

ではでは、先生の感想ですが初めから最後まで心の底から嫌な感情で心がくすぐられる不吉で不愉快な作品でした。
これまで読んだ純文学(坊っちゃん、こころ、雪国)の中ではもっとも出来事と事件に恵まれていたのでとてもドラマチックだったのですが、そんなものは何の慰めにもなりませんでした。作品の中の3つの時代のそれぞれの鍵となるモチーフを細かく解きほぐし分解解剖していくのかと思いきや、とにかく心が塞ぎ込みたくなりそうな出来事がまぁ続く続く・・・・。
これでもかこれでもかと襲い掛かる主人公の胸糞悪い感情や出来事に辟易してしまうんです。
これはチキンレースか?という気がしました。
もう読むのをやめよう、よし耐えれた!もう峠は越えたろう、げ?また?。
もうやめたい!でも今やめたら俺の負けだぞ!?
へ!チキン野郎はここで読むのをやめな!
俺は行くところまでいくぜ!
そういう葛藤の中で読み続ける苦行のような読中の感情でした。

後で知りましたが新潮社だけでも累計で600万部売れたそうで、漱石の「こころ」と並んで純文学の双璧だそうです。
でも、先生の勘では最後まで読み終えたのは6分の1以下じゃないでしょうか?
まさに選ばれたものだけが最終ページに辿り着くかのような。嬉しく無かったです。

太宰の一番有名な肖像

この作品の感想ですが
酷く特徴的なのは、主人公の身の上に起こる様々な胸糞悪い出来事や感情の原因や因果関係をすべて自分に求めていることです。
日本では精神論がまだまだ王道で「俺がこんな風になったのは社会が悪いからだ!」というのは最も嫌われます。が、だからといって己にだけ因果を求めるとその態度が真摯であればあるほど罪から逃れられなくなってしまいます。
社会が許しても自分が許さない限りずっと罪を背負ってしまう。そういう反面を持つ自己責任社会が日本なのです。
この本は「全てを自己の精神論に求めてやまない日本の風土に囚われ、その基準でしか己を計れないために自己を否定する以外に道が無くなった人間のサンプル」になってしまったいるのではないかと思いました。
だからこそ癒す場・逃げ場を失った人たちのオアシスとして延々と読まれ続けていることになっているのではないかと思います。

社会との連続性を切り離して己の中にのみ物語を帰結させる構成は日本人の純文学の王道スタイルになってしまってるように感じます。そのせいで「日本文学=私小説」(小さい小さいミクロの世界)という図式は日本純文学の悪口で言われる時に良く聞きますが、考えてみれば一時期大流行した自己責任論に現れるように「なにもかも自分のせい」とする風土の中では社会との関連性のなかで出来事を描くことは「他人のせいにする卑怯さ」と結びつきタブーだったのでしょう。
でも結局個人は社会の中で形作られてる以上影響は皆無とは言えないはずです。いつもそのことをおざなりにして原因や因果関係を個人にのみ帰結させるから社会制度の不備や欠陥の改善がいつもいつも後手になっているんではないでしょうか?
主人公が最後に脳病院に入ってしまうことをもって「人間失格」したことの烙印として書かれていましたが、病理的に言えば薬物への依存症(アルコール含む)を除けば実は入院処置を必要とするモノではありません。今の時代なら社会生活の中で自立に向けての治療・支援が行われるはずです。
それにしても「脳病院」に入ったことを根拠に「人間失格」と判断することは、「精神病」を「人間じゃないもの(壊れたもの)」とした当時の日本の基準が反映されてるなぁ。と。
なぜなら欧米人にとっては精神科や心理カウンセリングは風邪や腰痛並みの気楽に通える病理の一つでしか思ってないため、対応が早くまたその面での研究や体制も充実しています。周りの人も「精神・神経科」に通ってるとカミングアウトしたところで日本ほどドン引きしないそうです。そのため対応が早く致命傷に至ることは少なく(注意:少し前まで健康保険制度がなかったため手遅れになるケースの原因は貧乏にあることの方が多かった)、精神の病気は「押さえられるもの」「治るもの」という感覚だからです。
日本での年間自殺者の多さやうつ病などの精神病患者の重症化はいまだに「精神病」が人間としてダメな人というステイタスに縛られていることと無関係ではないと思います。
それと直接的な関係性はないかもしれませんが、この主人公の描く「人間合格像」ってなんなんでしょう?
議員だった父親のことでしょうか?だとすれば議員になれない人は皆失格ということになります。
もちろんサラリーマンを合格基準にするほど主人公は低い学歴や容姿ではなかったようですが、いったいこの人の基準でいう合格に達してる人ってのは何人いたんでしょうか?
でも、実際の世の中この主人公よりももっと人間失格者はいます。
先生の昔の知り合いでも「フリーの女に興味が無くて他人の女を犯すのが大好き」というド変態ヤクザが実在しましたし、他にも酒乱で一流新聞社を首になって離婚・子持ちと再婚しながらその子供とやらかして又子供作っちゃって平然としてる奴というのもいました。彼らはこれっぽっちも自分のことを「人間失格」だとは思っていません。言ったとしてもギャグとしてだけです。
もちろん新聞やテレビでは毎日必ず人間失格してる奴らが名前と写真入で紹介されています。
そんなものと比べればこの主人公の人生なんてありふれ過ぎて青臭い若造のような幼稚な苦悩というポジションでしかないと思います。


青森名物生まれて墨ませんべい
実在するらしい・・・・。



自己責任論は環境に左右されない強い自制心と自立心を育てるためにも必要な倫理とは思いますが、その鍛錬の為に必要な自我を見つめるという作業は、自己否定と簡単に結びつきやすい構造となっています。とくに自意識過剰や跳ね返りを嫌い謙譲や謙虚を尊ぶ日本の風土では本来成り立たないのではないかと思うほどです。
それにより発達しすぎた自我と固定され過ぎて融通の利かない基準感覚が欲望への自制力・抑制力を未熟にさせたまま、ただただ事件のたびに傍聴者ゼロの脳内裁判所で有罪を出し続ける行為を繰り返す。
その螺旋がこの物語の正体ではないかと思いました。
それはとりもなおさずこんなことで人間を失格と判定する「社会体制の失格」も計らずも描かれているととらえても良いのではないでしょうか。

純文学のスタイルとして深く自我を見つめることを突き進めていくと今度は社会との繋がりを見失う。そういう境界上に現れた「場」を作品と人生の双方に描き出したのがこの作品であり、太宰治という人間だったのかとは思いますが子供が読むもんじゃないですね。今回は最後まで読まなかったことを責める気にはなれません。
子供は自我より社会との連続性を知り、協調性とあわせた自制心と自立心を学ぶべきでしょう。でないとこの作品に取り付かれてしまいますよ。

それにしてもこの本が売れ続けているという現状は、いまだに社会体制の不備や欠陥を自己責任論に帰結させて誤魔化していることの表れではないかとも思うのです。で、この作品が今でも純文学の4位や5位やではなく双璧であると言うことは交通事故の三倍の死者数を毎年出していることと結びついていてとても恐ろしいことではないかと思いませんか?



日本の純文学の中では比較的出来事が多いので映画にし易いのは確かかも。

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テーマ : 読書感想文    ジャンル : 小説・文学

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どんぱちの小原です♪

Author:どんぱちの小原です♪
映像草野球トイウ冠ヲツケテ~どんぱちプロダクショント名乗ッテマース。ソシテぇ自分デ映画作ッタリィ、自分デ上映シタリィ、出演シタリィ、他ノ上映会二行ッタリ感想書イタリ悪口言ッタリ アリトアラユル方向カラ自主映画ヲ見テイマ~ス。
自主映画デサエアレバ傑作モ駄作モ大好ゥキデ~ス。

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