自主映画まみれ!

自主映画(特に個人映画)という特殊で奇妙でへんてこりんでとてつもなく面白い世界の紹介や批評や悪口や日々のくだらないどうでもいいことを脈絡無くつづったブログ。ただいまブログだと怖いけど会ってみたら割といい人じゃん♪キャンペーン実施中(落とし所不明)

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田舎の景色

Category: どうでもいい話  
中学生のころ、弟と二人だけで夏休みの間母親の実家に二週間ほど預けられるように遊びに行ったことがある。
高知県の仁淀村というところの一番奥のところで、30年前の当時でももう信じられないくらい不便な田舎だった。
小さい幅1m程度の浅い石だらけの小川の左右は傾斜のきつい山があり、その斜面にはりつくようにポツポツと家が建っていた。
おふくろの実家は本家筋にあたるということで近辺では大きい方だが、しょせん横溝正史の世界に出てくるような隠れ郷のようなところだから立派な家ではない。とはいえ母屋には縁側があり、朝になると障子を照らすオレンジ色の朝日とキンと音が立つような冷気がとても気持ちよかった。
それよりも驚いたのは夜の暗さ。街灯はゼロなので、夜になって外に出ると目が空いてるのか閉じてるのかが自覚では分からなくなるほどだった。

田舎の夜は早いが夜更かしっ子で現代っ子の俺たちは叔父叔母たちが寝静まってからが活動時間だったが、とにかく店も家も何もないのでトランプを弟と向かい合ってやるしかなかった。
庭の池に住み着いたカジカカエルの鳴き声は子供が石畳の上を下駄で歩くような音だった。

で、毎回異次元体験だったのが夜トイレに行くとき。
なんせトイレや風呂が家の外にあるなんて生活は経験がなかったので驚いた。
幽霊やお化けを少し自信無く信じていた頃だったから夜のトイレはけっこう怖いものだった。
しかも南国だから虫がアホみたいに巨大だったし。
で、どうしても行きたくなるときは玄関のたたきに降りて壁のスイッチを押す。
すると玄関先の向こうの闇のなかにぽっと裸電球が灯る。
ああ、あっちの方向か。と確かめて庭を横切り小さな石段を降りて離れのトイレに行く。
それがかなり面倒だった。

配置図.JPG


 
ある晩。
またトイレに行きたくなって真っ暗で足元も闇に慣れないと分からないなかゆっくりと離れに向かった時。男の小便用便器が見えたときになにか景色が違っていることに気づいた。
というのも年期の入った白く古い小便器に昼間はなかったでっかいヒビがどまん中にあったのだ。
さらにそのどまん中からは便器の淵までくっきりと放射線状にヒビが伸びていてちょっとしたショックですぐにぶっ壊れそうだった。


「えええ!?なんでなんで?なんで割れてんねん?誰か石投げたんか?」

夜のトイレ2.JPG


そう思いながら原因をさぐろうと目を凝らしてじっと割れ目を見てみるが裸電球も光量が少なくてよく見えない。いくら考えても全然思い当たる事柄がなかった。
小便したらその勢いで崩れるんちゃうか?と警戒したが、やらないわけにも行かないのでとにかく勢いを殺してするしかないと心に決めて自分のナニをぽろりんと出した瞬間、ヒビがものすごいスピードで便器から壁へと走り出し、隙間から天井裏に消えていった。

夜のトイレ3.JPG


「(ひゃぁあああああ~~)!」

ヒビの正体は胴体が小石くらいのくせに足は20cmぐらいある長い長い、見たことのない形と大きさの蜘蛛だった。


「(ぶしゅしゅしゅしゅしゅしゅ~~~)!」

と声なのか息なのかわからないような悲鳴がとまらなくなった。いつそいつが戻ってきて俺のナニにナニするかと思うと体はどんどん便器から離れていくw。泣きそうになりながらそれでもなんとか用を済ませても今度はそいつが背中に張り付いてるような錯覚に襲われ背中を反り返して早足で母屋に帰った。
安心した途端、体中の外からと言わず中からと言わず恐怖と笑いがぐわらんぐわらん湧き起こり、もうその夏の俺の最高の思い出になった。




およそ10年ほど前にその家の主だった叔父が亡くなった。
次の年のお盆にそこを再び訪れると家はモダンだけどありきたりの間取りと作りの普通の家に建て替えられていた。消えかかっていた記憶の中の絵をなぞろうと思っていたのに、手がかりは消え失せ仕方なく自力で記憶の遺跡修復をしなければならなくなっていた。

今はもうどうなってるか分からない。



すべて。

すべてがほぐれて消えていく。



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テーマ : 懐かしい思い出    ジャンル : ブログ

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どんぱちの小原です♪

Author:どんぱちの小原です♪
映像草野球トイウ冠ヲツケテ~どんぱちプロダクショント名乗ッテマース。ソシテぇ自分デ映画作ッタリィ、自分デ上映シタリィ、出演シタリィ、他ノ上映会二行ッタリ感想書イタリ悪口言ッタリ アリトアラユル方向カラ自主映画ヲ見テイマ~ス。
自主映画デサエアレバ傑作モ駄作モ大好ゥキデ~ス。

ダカラァ
商業映画ハ嫌イデェス!

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