自主映画まみれ!

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読書感想文 航空機事故50年史 加藤 寛一郎

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俺が好むドキュメント系読書は大きく分けると「歴史もの」「生物学(特に動物行動学)」「事件・事故」「宇宙論」あたりが全体の9割ぐらいを占めるけど、その中でも「飛行機事故」分野は高校生のころからの特に好きなジャンルで、昔なら柳田邦男(代表作:「マッハの恐怖」 民俗学の国男の方ではない)の本はたくさん読んでる。最近この人は自身の高齢化と身の回りの出来事により終末医療とかゲーム脳(w)方面にシフトしていってて航空事故方面から手を引いている。で、その跡を継ぐかのように現れたのが加藤 寛一郎。
略歴→1935年東京生れ。1960年東京大学工学部航空学科卒業。川崎重工、ボーイング社を経て1971年より東京大学工学部航空学科助教授、1979年より同学科教授、1996年東京大学名誉教授。1996年から5年間は日本学術振興会理事。工学博士。


この著者で一番最近読んだのが
「航空機事故50年史(講談社+α文庫)」
ライト兄弟の初飛行から初の民間ジェット旅客機までの発達通史をざっと述べたあと、世界中で起こった民間航空機事故を約80例セレクトし事故内容と原因についての調査結果を手際よくまとめて、飛行機自体の発達に応じて事故原因も変化していくさまを紹介し、また設計者・経営者がそれに対してどのように対応して言ったかを通史的に俯瞰して眺める本。
そのせいもあってか、この著者の作品の中ではずいぶん読みやすい。というのもこの人普通に航空学科の先生だからいつも専門的過ぎる説明が多く入っているので読み飛ばさないとつらいのだ。この本では通史的に早足ですっ飛ばしている分高度すぎる説明が省かれて読みやすくなっている。

飛行機事故1

重大な航空機事故の場合、そもそも空中に浮いているという反自然的な行為なので一旦ミスるとたいていの場合墜落(しかも高速で)という結果になる。そのため生存者が居ることも少ないので結果の重大性に反し原因究明が毎回難しいジャンルとなっている。ボイスレコーダー・フライトレコーダーの設置はそんな問題に対して出された答えのひとつだけど、それでもなお事故解明・原因解明のプロセスは難しく、どんな事故であっても なんかの重大事件のミステリーを解くような興奮を覚える。
俺も今もこの手の本を読み続けている動機はやはりその謎解きの興奮と関心が大きく占めているのは確かだ。もっともそれは俺だけのことではなく、この著者が別の本では、普段の航空力学の授業のときは教室がガラガラなのに「事故調査」の授業になると教室が満員になると嘆いていたから確かだ。
 
事故と対策のおっかけっこが最も進んでいるのが実はこの航空機事故の分野で、この手の本の背景に必ず流れているのは「どうすればこの事故は防げたのか?」という視点だ。「誰が悪いのだ?」では無いことが重要。「事故分析とは必ず次回の予防・対策のために行われるべきであって、責任者の処分ではない。次はどうやって防ぐ?」というのが高校生のときにこの手の本を読んで一番感動した部分。
今回読んだ「航空機事故50年史」は著者が「時代の進歩に合わせて変化していく事故原因」を俯瞰しようという意図だということだが、収録されている約80件の事故をみてるとやはり鉄の塊を時速数百キロで空中に浮かべることがいかに無茶かということがひしひしと伝わってくる。車みたいに「調子が悪ければ道の端に止めて点検する」なんてことができないのでささいなことが致命傷に直結。それでも次々に対策や改良や開発が行われ続けている。こう全体を通してみてるともう事故と対策の関係は対決とか決闘とかいう風合いすら感じてくる。

飛行機事故2

以上のことは関連する本すべてに共通することなのでここまでにして、この本だけに感じた感想というか驚きは離陸や着陸時のチェックリスト漏れが最終的な致命傷になるケースが少なからずあったこと。もちろんチェックリストとはそれだけ重要な操縦アイテムなのだということだけど、これって見方を変えれば飛行機の操縦方法を完璧に頭に入れて記憶で飛ばしているパイロットなんか一人も居ないということだ。自動車や船なんかと感覚がぜんぜん違う。
安全かつ快適な空の旅を維持するために操作しなければいけないスイッチやボタンやレバーが莫大にありすぎて、何かひとつ忘れただけですぐに大事になるということの表れでもある。
斜めに見るクセのある俺はつい「あいつら いつもマニュアル見ながら操縦してるんだぜ!」ということに気づいて爆笑。

もうひとつは一機の飛行機を飛ばすために関わる人数の多さ
事故の原因がパイロットの操縦ミスに始まり、管制官のミス(伝令ミスも含む)・地上作業員のミス・機械の故障(設計ミスや修理ミスもある)・製造メーカー(飛行機全体も、エンジンや電子機器などのその他のパーツメーカーも)・運行会社の経営者のミス、飛行機自体の設計ミス(さらにオートメーションの設計ミス・プログラムのミス)・飛行場の設計ミス・パイロットの運用ミス(休日ローテーションなど)・誤字脱字(!)などなどなどなど!!!!事故原因がこれだけ広範囲に存在することは、すなわち関係する人間の多さの裏返しでもあるけど。この現実は怖い。人間は誰でも必ずミスをするというのにそんなのが数百人集まって飛行機飛ばしてる。どっかにおっちょこちょいが混じっていればもうアウト。

でも、実際はジェット輸送が始まってからすでに半世紀がすぎてる中で大きな事故はまだ100件にもなっていない。運行数や飛行距離・時間と比較してもありとあらゆる乗り物の中でもっとも安全といえる(スペースシャトルよりも!)輸送方法になっているということだ。航空産業がその安全性を手に入れることができたのはこの業種特有の「ミス即大量死」という重大なリスクを負っていることを常に自覚してまさに事故と真正面から戦ってきた証拠の記録ともいえる。この本の通史を通して見えてくるのもう一つの一面はまさにそれだった。最近はとんと飛行機には乗らなくなったが、無事に着陸することがどれほどありがたいことかと思い知った。これからは飛行機を降りる前にキャプテンに抱きついてキスできるようになろうと思うw。

777コクピット
 ※B-777のコクピット。計器がすべて液晶モニター表示になっているが、電源系の故障(エンジン停止など)があれば全部真っ暗!

追記:飛行機にバックミラーがあるとパイロットが助かる事が意外に大きいということが分かったんだけど、いまだにそれが無いということはどういう理由だろう?(左右どちらのエンジンが爆発したか分からず大事に至った事故例も3つほどあったし、実際パイロットは操縦室以外の出来事を直接把握する方法がいまだに無いのはどうかと思うよ。有名なところでいえば御巣鷹山に墜落した日航機もボイスレコーダーの記録を見る限り、パイロットは自分の機がどういう状態になっているかを把握していない。機械的に動くバックミラーとか、小型レンズによるボディチェック用カメラの設置とかなら今の技術とコストでも十分可能だと思うんだけどなぁ。)

興味の無い人にはぜんぜん面白くないだろう本ですよ。(笑)
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どんぱちの小原です♪

Author:どんぱちの小原です♪
映像草野球トイウ冠ヲツケテ~どんぱちプロダクショント名乗ッテマース。ソシテぇ自分デ映画作ッタリィ、自分デ上映シタリィ、出演シタリィ、他ノ上映会二行ッタリ感想書イタリ悪口言ッタリ アリトアラユル方向カラ自主映画ヲ見テイマ~ス。
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